被写体や社会との向き合い方

How to Take Subjects and Society Seriously


皆さんこんにちは。FRAME TOKYO SHUNSUKEです。

今回は、写真集紹介です。

髙橋健太郎さんの「A RED HAT」をご紹介したいと思います。


Hello everyone. I am SHUNSUKE. This time, I am going to introduce one of my favorite photographers, Kentaro Takahashi, and his book called, " A RED HAT."




私はこれまで、自分で撮るのも観るのも、いわゆるStreet Photogtaphyが中心でした。Street Photographyは、自分がこれだと思う瞬間を求めてひたすらStreetを歩き回り、偶然的そして運命的に出会う瞬間を切り取っていくというものです。

過去のブログでも書いてきた通り、自分が何を切り取りたいのかを日々考えながらStreetを徘徊するわけですが、最初から被写体を特定するというケースは稀で、被写体との接点も本当に一瞬であることがほとんどです。


それに対して、今回ご紹介する髙橋健太郎さんの「A RED HAT」は、特定の被写体と、とことんまで向き合った結果生まれた作品です。

この作品は、1941年に起きた「生活図画事件」という出来事が題材となっています。私達が写真を撮ったり、写真表現について語り合ったりするのと同じように、絵を描き、絵画表現について議論を交わしていた学生たちが、共産主義思想を啓蒙しようとするものだとして突然逮捕され、刑務所にまで入れられたという事件です。

当事者の方々は、青春時代の貴重な時間の一部を奪われました。そのうちのご存命のお2人の現在の生活に密着したのが、今回の作品です(残念ながら、うちお一人(松本五郎さん)は昨年亡くなられました。)。


私は最初、ページをめくるうちに、まるで自分も彼らの近くにいるように引き込まれる感覚に陥りました。

もちろん、一枚一枚の写真が素晴らしく、かつ、構成や流れにも細心の注意が払われていると感じるのですが、それよりも根本的に、被写体との関係の深さが、自分が撮る写真とは全く異なることに衝撃というか、ショックを受けました。

これは、事件の舞台となり彼らが生活する北海道まで何度も何度も通い、彼らと多くの時間を共に過ごし、接し続けたからこそ、彼らの本当に自然な姿を切り取ることができ、それが、引きこまれるような没入感に繋がっているのだと感じました。